然りとて無謀\(^o^)/

日々の推しごとと旅の備忘録!

タスクに忙殺されて苦しくなったとき、あの児童書を思い出した

……という話を先日友人にしたんです。

"あの児童書"というのは『モモ』。泥棒に盗まれた時間を、勇敢な少女モモが取り返しに行くという、ミヒャエル・エンデ不朽の名作です。ちょうどそのとき手掛けていたのがタイムマネジメントの原稿だったものだから、なんて皮肉なんだろうと笑ってしまったのですが……。

たぶん、モモをはじめて呼んだのは小学校3年か4年のとき。あの頃は「時間」というものがどれほど貴重であるか全然わかっていなかった。大人になった今、もう一度モモを読み返したら、きっとあの頃とは違う感じ方をするんだろうな。久しぶりに読みたいな〜、モモ。ま、時間ないんだけどねw

そんな話で盛り上がった数日後、なんとその友人からモモの愛蔵版が届きました。「時間がないなら、取り返しておいで」というメーセージカードとともに。(なんだこの素敵なサプライズ〜!!好きになっちゃうじゃん〜〜!!!)

 

そんなわけで、10年以上経って再読したモモ。

エンデの小説って、本当に不思議。子どもに向けて書かれたとは思えないくらい奥が深くて、そこらの啓発本なんかよりもずっと考えさせられるんです。

大人になると、やるべきことはどうしたって増えますよね。自己責任で自分の生活を成り立たせなくてはいけない。そのためにはお金が必要で、だから働く。もちろん仕事だけじゃなく家事もして、休日は娯楽を楽しむ。勉強もしたい。体のメンテナンスや休養だって必要……。

限られた時間の中では、やろうと思いつつも取り組めないことも出てきます。物事に優先順位をつけて、中には諦めなくてはならない時間も当然ある。こんなふうに、時間に追われた生活を続けているうちに、ふと、好きなことを「楽しむ」ことさえ義務になっていることに気づいたんです。

これって、モモの世界の人たちと同じ。時間に追われて、いつ間にか心を無くしていたのだと。

「景色を見るには目が必要で、音を聞くには耳が必要、そして時間を感じるには心が必要」

これはモモの作中の一節ですが、言い得て妙だなと思いました。確かに、楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。時間を感じているのは「心」だったんですね。

無駄をなくし、なんでも効率よくこなすことがカッコイイ、美徳だとされるこの時代。少し大袈裟に言うと、現代を生きるわたしたちは生き急ぎすぎではと感じることもあります。モモは1970年代に書かれた作品にも関わらず、そんな現代人を写し取ったかのような描写がそそかしこに! エンデって本当にすごい!


……と、まあだいぶとっ散らかってしまったのですが、いくら時間に追われようとも、心を無くさないようにしなくちゃという戒めをこめて日記を書きました。それから主人公のモモのように、友人や大切な人との時間を心から大切に思えるのはすごく素敵なことなんだと、改めて思った次第です。

わたしに時間を返してくれたモモと、素敵な友人に感謝。